次世代の暗号資産取引所

こんにちは、LCNEMの下島です。
次世代取引所の形態である「Cosmos Distributed Exchange」について翻訳&解説します。

※本記事は、COSMOSに関して基本的な理解を持っている方向けです。
「COSMOSって何?」という方は、以下を参考にしてください。
COSMOS HP
COSMOSセキュリティに関して

既存の取引所の問題点

まず、中央集権的取引所(CEX)の主要な問題点は、
皆様も知るとおり、ユーザの資産を取引所が保管しているということです。
Custodyであるということですね。
Custodyであるが故に、ハッキング対象になり、過去に様々な事件が起きました。

それでも、ユーザはCEXを利用し続けます。より良い手段が存在しなかったからです。便利さ、速さ、そして金額の規模感に関して、CEXを超える取引所の形態はありませんでした。

そして、最近良く話に上がる、分散型取引所(DEX)の主要な問題点は、
出来高の少なさ(例えば、分散型取引所のBitshare DEXの1日の取引高は197BTCだが、バイナンスの取引高は227,123BTCもある)と、注文成立に時間がかかる、という点です。
CEXだと上記の2点に関しては全く問題がないです。
勿論、DEXにも良い点があり、それは資産を他人に預けないという点ですね。そして全ての取引がブロックチェーン上に記載されているので透明性が担保されています。

では、新しい取引所の形態である「Cosmos Distributed Exchange」とはどういったものなのでしょうか。

Cosmos Distributed Exchangeとは

中央集権取引所(CEX)と分散型取引所(DEX)の良い部分だけを抽出した、
次世代のHybrid型取引所の形態です。

上記の参考記事に記載の通り、COSMOSは異なるブロックチェーン間を疎結合させるインターオペラビリティを実現するネットワークです。

Cosmos Distributed Exchange 概要

CEXが補助台帳をもち、その上で取引注文のトランザクションを管轄します。
DEXでトレードを行いたいトレーダーは、まずDEXに署名したトランザクションを送ることで、CEXの補助台帳に資産をデポジットします。
DEXにトランザクションを送ったことで、CEXの補助台帳上で”semi-custody”状態になります。

そしてトレーダーは、取引注文をCEXに出します。CEXに送られた注文は当然トレーダーに署名されている必要があります。
その注文に対しCEXは、注文内容と注文発生時間、シーケンス番号、前回の注文のハッシュ値が含まれたメッセージを返します。

CEXによって署名された全ての取引はDEX上にコミットされます。
全ての取引注文は、シーケンス番号を増加させ、過去の注文のハッシュ値と整合性が取れていなければなりません。

ユーザは、引き出しトランザクションをCEXに送ることで、CEXの補助台帳から基盤のDEXや他のCEXの補助台帳に資産を送ることも可能です。
つまり、CEXから資産引き出しの許可を得る必要はありません。

セキュリティ面に関して

トレーダーもCEXも担保資金はDEXに保管するという前提の元、もし違反(CEXがフタルのコンフリクトしている取引注文を同じシーケンス番号で署名したり、CEXがトランザクションをDEXに送らなかったり)が見つかった場合は、担保資金を毀損させます。
また、DEXのバリデーターが全ての補助台帳のバリデートも行うという前提の元、もしCEXが価値のない注文(トレーダーの資産がないのに、注文が入っていたり)を行なった場合、同じように担保資金の毀損という処罰が与えられます。
悪事を防ぐインセンティブ設計が構築されていますね。

もしトレーダーがCEXのパフォーマンスに満足できなかったら、
他のCEXに移動しようというインセンティブも発生します。
※トレーダーCEXから抜け出す場合、注文がマッチしたのに担保資金を既に引き出していた、という事故を防ぐため、ある一定のLockTimeも設定されています。

ここで最も大事なことは、
CEXがユーザの資産を保持しないということです。
どの資産も、ユーザの許可なしに引き出したりトレードしたりすることが出来ません。
CEXがすべきことは、取引をマッチさせることです。それだけをトレーダーは望んでいるのです。

結論

上記に記載したCosmos Distributed Exchangeは、CEXに取引を管理させ、DEXに資産を預ける、という両形態のHybridです。
CEXにより、市場規模も望むことが可能で、またCEXがハッキングリスクを背負うことはありません。

この次世代取引所が一般化される時、
ユーザ・取引所は安心して暗号資産取引を行うことが可能です。

COSMOSの提唱する次世代取引所、面白いですね。
弊社では、COSMOSに関して技術力と知見を有し、様々に事業化させています。
最近では、COSMOS-SDK技術を活用して、「独自ブロックチェーン開発」サブスクリプションサービスをリリースしました。
今後も研究開発の先行と事業化を進めていきます。